ぱらのいあ

paranoia 主な意味:偏執病、妄想症、病的な疑り深さ

彼女のことも好きだった




 

彼女からおめでとうと言われた瞬間

 

涙が溢れてきた

 

 

 

 

私は彼女と同じ人に恋をして
彼女とどう接せればいいかわからなくなって
苦しくなってしまったのだけど

 

彼女は優しかった
決して強くはなかったが優しかった

 

 

 

 

 

そして、私は

彼女のことも好きだった

 

 

だから、彼女が祝ってくれたのが嬉しかった

そんなの本心じゃない

そう言われたって

 

 

私との関係がどうでもいいならわざわざ私が言いやすいようになんて言ってくれない。いつもの自意識過剰かもしれない。それでも彼女は私とこれからも関係を築きたいとそう。言ってくれた気がするの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでも私は

 

 

彼女のことは大切だった。

 

 

それだからこそ出てきた言葉「応援するね」

 

 

 

そんな彼女を1番傷つけたのは私

 

自意識過剰なんだったらそれでもいい

 

 

 

 

でも彼女は好きな人が被った
大好きだと思ったら被った

それで傷ついて

 

 

 

 

私にも気をつかってきっと傷ついた。

 

 

 

彼女は誰よりも優しいから

 

 

 

 

そのことを知っていた私は、誰よりもずるかった。

 

彼女を傷つける道を選んで
彼に恋をしたのだから。

彼女はきっと傷ついた

応援するよ

 

 

そう言った私は傷ついて

 

 

応援するね

 

 

そう言った彼女はきっともっと傷ついた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恋は、きっと実らない方が多い。

恋は、きっと傷つく方が多い。

 

恋は、きっと1人でも2人だけでもできない。

 

 

 

 

恋は、きっとずっと難しい。

 

大人になんてなれなかった

 

 

「そうなんだ!応援するね!」

 

 

そう私が告げたのは

彼女が本当に彼に恋してるんだということが伝わってきたから
彼女から聞く限り、私が入るもんじゃないって思ったから
私の胸の痛みは勘違いだと思いたかったから
そして、私には恋人がいたから

 

 

 

 

そうなんだ。応援するね。

 

言葉は取り戻せない
本当にそうだ
応援するねと宣言した私は応援するしかない
つまり、彼女の話を聞くことしかできない
彼をこれ以上好きになることはできない
彼に好きだと伝えることはできない

 

 

 

 

 

 

できない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼が好きだと言う気持ちを隠すことができない

 

 

 

 

 

そう

 

 

 

 

私は大人になんてなれなかった

 

引くことなんてできなかった

 

 

 

彼女がいっそ付き合ってくれるならできたのに

 

私に望みがあるなら彼の横に立ちたいと思っていた

 

 

 

 

 

 

 

彼の前ではじめて泣いた時

私の嘘が終わった時。

 

 

彼女にはまだ嘘のままだけど。

恋をした

 

「私、****が好きなんだ」

 

 

それを聞いた時大きく一回、心臓が跳ねた。

そのあとに胸がつっかえ痛くなった。

 

 

 

あぁ、私好きなんだ
私も****が好きなんだ

 

そんなことを思った

 

でも同時に今ならやめられる
そう思っていた。

 

 

だから、私は彼女に伝えたんだ

 

「そうなんだ!応援するね!!!!!」

 

 

 

 

私の恋はここで終わるべきだったのに

私の恋はここからスタートした

 

辛くて、やめたくて、嘘つきな恋のはじまりだった。